スタジオブログ木曜日担当の3DCG チームです!
3DCGチームのブログですが、本日は、とある行き当たりばったりの旅番組でディレクターをしている私が、
『行き当たりばったりの旅番組が放送されるまで』 というテーマでブログを書いてみようと思います!
前提として
私がディレクターとして担当している番組は行き当たりばったりの旅番組で、
ジャンルとしては情報番組寄りのバラエティ番組です!
ロケはディレクター兼カメラマンとタレントの2人きりで行っています!
日程としては月に4日前後で、行き当たりばったりなので行けるところまで行って宿泊→ 翌日も行けるところまで行って宿泊。
という体力任せで撮影しています!
撮影前に行うこと
まずは荷物の準備をします!
・カメラ
・ピンマイク
・それぞれのバッテリー
・バッテリーの充電器
・タレントの衣装
・自分の着替え
・三脚やその他機材など
もろもろリュックに詰め込むと12kg前後になります!
最初の頃はそのリュックを持って歩くだけでも苦でしたが、こんな苦はまだまだ序の口でした!
ロケに出発
まずはタレントと合流。
ディレクターだけでいても何も始まりませんからね!
さっそく他番組の撮影と決定的に違うことだと思うのですが、打ち合わせや予定などが一切ありません!
タレントと合流した時点で決まっていることは 「次の目的地」だけ。
そこまでどうやって行くのか、何時発のどんな交通機関を使って行くのか。
何一つ決まっていませんし、どんな展開にするのかも決まっていません!
本当に出たとこ勝負のアドリブ撮影です!
ロケ開始
タレントと合流したらロケ開始です!
上述の通り、「次の目的地」だけは決まっていますので、タレントと相談してどうやって行くのかを決めます!
携帯で調べる行為が禁止されているので、目的地までの行き方は通行人や近くのお店の人に尋ねたりもします!
行き方が判明して、もし電車やバスで行けない場所だったら、ヒッチハイクしたりもします!
そして、ロケが始まったら基本的にカメラは回しっぱなしです!
録画を止めるのは、無許可で撮影できない場所に入ったときとカメラのバッテリーを交換するとき、寝るときくらいです!
それ以外は基本的に回しっぱなしです!
基本的な撮影物として、
・朝タレントの部屋へ行き、おはようございますの撮影
・日中ずっと撮影
・ホテルチェックイン後SNS用コンテンツの撮影
・最後はおやすみなさいの撮影
ですので、編集のときに大変な点として、「1日ごとの撮影素材が膨大」というのが挙げられます!
そして、夏場の撮影で大変だったのが「衣装の洗濯」です!
日中に外で長時間撮影していれば当然大量の汗をかきます!
しかし、行き当たりばったりの旅番組の難点は、何時に撮影が終わるかもわからないところ…。
一番最後の「おやすみなさい」の撮影が日付をまたぐことなんて平気であります…。
そこからタレントの衣装を回収し、自分の着ていた服も一緒にコインランドリーで洗濯→ 乾燥としていると、
寝るのが2時や3時を回ることもありました…!
そして、翌朝に始発で移動しないといけない時は、もう泣きたくなります…。
朝5時くらいには「おはようございます」の撮影をしなければなりません…!
しかし、そういう日の唯一の救いは、“始発で行かなければならないほど遠い場所”まで行くので、電車の中でかなり眠れる点です!
と言っても布団で寝るのとは大違いなので、快眠ではないです…。
ロケ終了
タレントからもらっているスケジュール日が満了したら、頃良いところで解散します!
ディレクターとして撮影に行っているとはいえ、ここまではカメラを回すことにも頭を使うので、ほぼカメラマンです!
テレビ局に帰って編集に着手してからがディレクターとしての本業開始です!
まずは、編集用PCに撮影素材を取り込みます。
一度のロケで大体300GBほどの膨大なデータです。
それを編集ソフトに並べ、使いそうなシーンをピックアップする作業。ピックアップしたものをまた並べ、次はナレーションを考えます。
私が担当している番組は30分番組なのですが、1人で編集している段階での目標は35分尺くらいです。
そのくらいの尺に繋ぐことができたら、番組チーム全員でプレビューをします。
プロデューサー、放送作家、演出家、他のディレクターに意見してもらい、ブラッシュアップを行います。
最後に演出家と2人で放送尺ぴったりに仕上げます。
ここまでダイジェストのように書きましたが、実際にやろうとすると本当に終わりが見えない工程で恐怖します…。
番組を作る上で一番大変な部分だと私は思います!
まず撮影素材に目を通すのが無限にも感じるほどに時間がかかります…。
タレントがいつどこでどんなことを喋っているのか、撮影している本人として大体はわかっていますが、細かく全ては覚えきれていません…!
さらにきついのは、「こんなこと言ってたな。あれってどこで言ってたっけ?」という本当に曖昧な記憶を辿って探すのは本当に大変です…。
放送尺にできた後
演出家と2人で放送尺まで作り終えて終わりではありません!
その後、
・テロップを作ってもらうために原稿を書く
・テロップをつける
・テロップに動きをつける
・映像の色味の調整
・ BGM や効果音をつける
・ナレーションを録る
これだけの工程をクリアすると、ようやくテレビ番組らしい映像になります!
しかし、まだ放送はできません!
最後に考査という工程が残っています。
平たく言えばコンプライアンスに違反していないかをチェックしてくれる人たちがいるので、
その人たちに放送しても問題ないかをチェックしてもらいます。
そしてこの工程で直しがなかったことはありませんので、大抵の場合、5~10箇所ほど修正作業が入ります。
その修正が完了したところで、プロデューサーによる最終チェック。
そのチェックを通過したものが放送用に納品され、地上波で流れる。という流れになっています!
まとめ
いかがでしたでしょうか!
今回は、『行き当たりばったりの旅番組が放送されるまで』 というテーマで書いてみました!
こうやって工程を書き出してみると、本当に大変なことをしているのだなとひしひしと実感しました…!
私はもともとADとしてこの番組チームに入り、途中からディレクターに上げてもらいました。
プライベートでよく旅行に出かけるので、「ディレクターになれたら仕事でいろんな場所に行けて最高じゃん!」とずっと思っていました。
そして実際にディレクターになってみて、やってよかったと強く思います。
実際、いろんなところに行けて最高だ!という気持ちでロケをしています!
ロケ中はタレントと2人なので困っても相談相手はいませんし、撮影素材の量が膨大で編集にかかる時間は途方もないです。
しかし、やっていて楽しいですし、本当に多くのことを学んでいると思います。
ディレクターへの挑戦は、自分にとって本当にレベルの高い挑戦だったと思います。
けれど、この挑戦が自分の人生において大きな刺激になっています。
もし目の前に大きなハードルがあったら、挑戦してみてはいかがでしょうか!
今回のブログは以上になります!
スタジオトキでは3D モデルの制作から配信、 動画制作なども幅広く承っております。
無料の内覧会も行っておりますので、 まずはお気軽にご相談ください!